節税策その3 小規模企業共済制度 |ブログ|畑山税理士事務所

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節税策その3 小規模企業共済制度

 

公務員や会社員が退職する際には、会社等の規定によって退職金が支払われることが一般的です。

一方、個人事業主の方はご自身で事業を行なっているため、退職金をもらうという概念はありません。また、法人の役員である場合も、退職時の会社の業績が良くなければ、退職金をもらえる保証はありません。

そのため、個人事業主や法人役員の方は、ご自身で老後資金の対策をしておく必要があります。

 

※ 大阪市中央区にある大阪商工会議所でも小規模企業共済を取り扱っています。

 

 

本日は、個人事業主や会社役員の節税対策として、広く使われている「小規模企業共済制度」について説明します。

小規模企業共済の仕組み

 

小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者の方が第一線を退くときの「退職金」をあらかじめご自身で毎月、積立てをしておく制度になります。

 

具体的には、申込後、ご自身が設定した一定金額を毎月、小規模企業共済を管理する「独立行政法人中小企業基盤整備機構」に払い込み、事業を廃止したり、事業をお子様に譲渡したりした場合に、それまで積み立てた掛金合計に利息相当がプラスして支給されます。

 

イメージとしては老後資金を、ご自身の預金口座ではなく、中小企業整備基盤機構に預けているというイメージになります。国が運営している制度なので安心とされ、多くの小規模事業者が利用しています。

小規模企業共済に加入できる方

 

常時雇用する従業員が20名以下の個人事業主または法人の役員

(宿泊業・娯楽業を除くサービス業や卸売業小売業の場合は5人以下)

 

月額掛金

 

月1000円から7万円までご自身で設定ができます。また、加入後に増額することも可能です。

 

加入の申し込み

 

商工会や商工会議所、金融機関、青色申告会、中小企業団体中央会と中小企業の組合

(顧問契約されている税理士がいらっしゃる場合は、税理士さんにご相談ください。)

 

小規模企業共済のメリット

支払い時

老後預金をご自身の預金に積み立てることにより貯蓄していても、税金の計算上は、何ら考慮されません。

しかし、この小規模企業共済制度により支払った掛金は、健康保険等と同様に掛金全額が所得税と住民税の計算上、所得から控除されますので、自身で貯蓄しておくよりも節税になります。

 

具体的には、課税される所得金額が400万円の方の場合であれば、

・月額1万円小規模企業共済の掛金を支払った場合、年間で約36,500円

・月額3万円小規模企業共済の掛金を支払った場合、年間で約109,500円

の税金がご自身で貯蓄されている場合よりも安くなると試算されます。

 

事業廃止や退職時

事業廃止や退職時は、今までの掛金総額に利息分がプラスされた金額が共済金として支給されます。

例えば月額3万円で掛金を支払っていて、20年後に事業廃止をした場合、3万円×12ヶ月×20年=720万円が積み上がっていることになります。

事業を廃止した場合等には、この720万円に利息相当額を加算した8,359200円が共済金として支給される予定となっています。(この利息相当額は、経済情勢等により変更されることがあるようで、小規模企業共済のパンフレットから引用しています。)

 

この共済金を受け取る際の税金の計算方法は、事業の廃止等によるものであれば、退職所得での計算になります

この退職所得の計算は、今回の記事では省略しますが、通常の給与の計算よりも税負担が優遇された計算方法になっています。

 

小規模企業共済制度に係るメリットのまとめ

小規模企業共済のメリットは

・掛金を支払時に、支払った額全額が所得控除になり節税効果がある

・事業廃止等の場合には、掛金総額に利息(現状は1%の予定利率)が上乗せされる

・共済金受給時には、給与所得よりも有利な退職所得で税金が計算される

等々になります。

予定利率は今後変更される可能性はありますが、現状では予定利率が1%となっており、かなり優遇された利率と言えます。(参考として、現在の10年定期預金の利率は約0.002%です…)

 

小規模企業共済のデメリット

小規模企業共済はメリットだけではありません。もちろんデメリットもあります。

1点目は、ご自身の預金と違って自由に引き出すことができないという点です。

2点目は、自己都合により解約をした場合、20年以内だと元本割れをしてしまうことです。

そのため資金繰りが苦しい際には、解約ではなく、まずは掛金の変更を検討するようにしてください。

また事業廃止等の理由でなければ、自己都合による解約となりますので、所得税の計算上も退職所得での計算とはならず、一時所得での計算となります。

 

まとめ

 

小規模企業共済は、老後のための資金をご自身で積み立てる制度で、国が出資する独立行政法人が運営している制度なので、安心な制度と考えられています。

私は、今まで公務員や会社員だったので、この小規模企業共済制度には加入できませんでした。

今般、自分で税理士事務所を立ち上げるにあたって、節税対策としてサラリーマン時代にはなかった小規模企業共済制度は必ず活用しようと思っています。

具体的には、私は将来のビジョンとして、25年後(70歳くらい?)に引退することを考え、その際には1200万くらいの共済金を受け取りたいので、その金額から逆算し、月額35,000円前後で申し込もうと思っています。

 

老後資金をご自身で別途、預金にしていても、上記のような節税は行なえません。

老後のため、少しでも多くのお金を残すために小規模企業共済の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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