【サラリーマン必見】医療費控除で還付される金額は? |ブログ|畑山税理士事務所

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【サラリーマン必見】医療費控除で還付される金額は?

 

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

昨年はコロナで大変な一年になってしまいましたが、本年は良い年になってほしいですね。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

私は、本年の目標として次の3つに取り組んでいくことに決めました。

  • 当ブログについて、最低1週間に一度更新すること
  • 月次顧問のお客様の決算について100%黒字化を目指すこと
  • 本年1年間で月次顧問の新規お客様を20件獲得すること

この3つの目標を達成するため、本年もより一層頑張っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

※ 正月は堺市の「海とのふれあい広場」にて子どもと凧あげをしました。

 

さて、年が明け確定申告の時期が近づいてくると、「医療費を支払った場合は確定申告で還付を!!」といった内容の特集がテレビや雑誌がされていますが、自分の場合も還付金を受け取れるのか。また受け取れるなら、その金額はいくらになるのかということが気になりますよね。

毎年たくさんの方が確定申告で医療費控除を適用し、還付を受けています。

しかし、医療費控除で確定申告をされる方の中には、税務署が開設する確定申告会場へ行き、数時間の待ち時間を経た後、「たったこれだけしか還付されないの」といった方が大勢いらっしゃいます…

今回は、主にサラリーマンの方が、医療費控除により確定申告を行なう場合に、還付を受けることのできる金額について、説明します。

 

医療費控除の仕組みとは

 

一般的に会社員や会社役員等の方は、

  • 年末に会社から年末調整に必要な書類を手渡される
  • 手渡された書類を記載し、保険の控除証明書等必要書類を併せて会社へ提出する

以上により、会社で年末調整事務(従業員の1年間の税金の計算)が行われ、源泉徴収票が発行され、1年間の所得税の計算は終了になります。

この際の年末調整においては、社会保険や生命保険の支払いやご家族の扶養の状況等を加味した所得控除の計算が行われますが、医療費控除は年末調整では手続きできないため、確定申告で改めて手続きが必要になります。

 

「医療費控除による還付」とは、その年の1月から12月までにご自身(同居家族を含む)の医療費を支払った金額の合計額が10万円以上の場合に、その10万円を超える部分の金額が、年末調整で計算した所得控除の金額に加算されることにより、所得税の再計算が行なわれ、の再計算した金額と源泉徴収された金額の差額が還付されるといった仕組みになります。

※所得金額が200万円以下の場合は所得金額の5%になります。

 

あくまでも、医療費を一定額以上支払った場合に計算した金額が税金の計算上優遇され、税金の還付を受けることができるというものなので、医療費が戻ってくるというわけではありません

 

医療費控除の対象となる医療費とは

 

医療費控除の対象となる医療費は、様々なものが対象となりますが、よくあるものは次の医療費になります。

  • 医師、歯科医師による診療又は治療
  • 治療、療養のための医薬品の購入
  • 治療のためのあんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師又は柔道整復師による施術
  • 医師による診療や治療を受けるために直接必要な通院費用、入院の部屋代、食事代の費用、医療用器具等
  • 介護保険制度下で提供されるサービスの対価のうち一定額 など

 

病院や歯科医院等で診療を受けたことに対する支払金額は、社会保険診療だけでなく自由診療であっても治療に必要なものであれば対象となります。

また、医薬品の購入にあたっては、処方箋による医薬品の購入に加え、ドラッグストアなどで風邪薬等の医薬品を購入した場合にも対象となります。

一般的には、治療費に係るものは医療費控除の対象となりますが、インフルエンザの予防接種や、(疾病の発見がなかった場合の)人間ドックなどの健康診断のための費用は対象となりません。

医療費控除の対象とされる医療費の範囲は、問題となることが多く、また確定申告が近づいてきた際に、ブログで取り上げさせていただきます。

 

医療費控除となる金額

 

医療費控除額として所得控除に加算される金額を正確に計算したいという方は、国税庁HP等をご覧ください。

ここではざっくりの計算方法を説明します。

  1. まず1年間(1~12月)に支払った同居家族全員の支払った医療費の総額を電卓等で計算します。
  2. 支払った医療費に対応して高額医療や生命保険で給付を受けた金額がある場合はその金額を1から差し引きます。(給付を受けていなければ差し引く金額は「0」になります。)
  3. 2で計算した金額から10万円を差し引きます。

このようにして計算した3の金額が医療費控除として所得控除に加算される金額になります。

 

 繰り返しになりますが、この計算は簡易的に医療費控除の対象となる金額を算出する方法を記載しているため、ざっくりした記載としています。そのため

  • 所得金額が200万円以下の方
  • 支払った医療費よりも給付された生命保険金の方が大きい方

などは上記計算にはあてはまらない場合がありますので、ご注意ください。

 

実際いくら還付されるのか

 

医療費控除の金額が、そのまま還付される金額になるわけではありません。

「医療費控除の金額×その方の所得税の税率分」が戻ってくることになります。

医療費を総額18万円支払った方の場合、「医療費控除の金額」は10万円を差し引いた8万円となり、

所得税率が5%の方の場合は4,000円(8万円×5%)
所得税率が20%の方の場合は16,000円(8万円×20%)

が具体的な還付される金額になります。

ご自身の税率が分らないという方は次の項目を参考にしてください。(説明の簡略化のため、復興特別所得税は考慮に入れていません。)

 

所得税の適用税率の確認方法

ご自身がサラリーマンで、源泉徴収票がある場合は、お手元にご用意ください。

上記の源泉徴収票の「の金額の金額」の計算結果を、次の表に当てはめたら、ご自身の適用されている税率がわかります。

 

 

の計算結果

所得税率

A

1,000円円~1,949,000円

5%

B

1,950,000円~3,299,000円

10%

C

3,300,000円~6,949,000円

20%

D

6,950,000円~8,999,000円

23%

E

9,000,000円~17,999,000円

22%

F

18,000,000円~39,999,000円

40%

G

40,000,000円~

45%

 

そのため、例えば源泉徴収票の「②の金額―③の金額」が300万円の方は、所得税率が10%が適用されている方(Bの行)となります。

 

自営業の方の所得税率の確認方法

自営業の方や不動産収入がある方で毎年確定申告されている方は、確定申告書をご用意ください。

確定申告書右上の「課税される所得金額㉚」欄の金額を確認いただき、上記の表に当てはめていただければ、ご自身が適用されている税率を確認することができます。

還付金ゼロ!

上記の計算式に当てはめても、還付金が産出される場合でも、実際の還付金が「0」になる場合があります。

それは源泉徴収表の源泉徴収税額の欄が「0」になっている場合です。(上記源泉徴収票の

こちらは、「の金額の金額」がマイナスである場合や、住宅ローン控除を受けており、所得税が「ゼロ」となっている場合です。

このような場合は、医療費控除をしても戻ってくる税金は「ゼロ」になりますので注意してください。

 

医療費控除で還付を受ける場合の確定申告期限は翌年3/15ではない!

サラリーマンの方は、会社が行う年末調整で所得税の計算は終わっていますので、医療費控除を受けるために還付申告する場合の期限は翌年3/15までではありません。

基本的には5年以内であれば遡って確定申告することが可能です。

具体的には令和2年分(2020年)の医療費を10万円以上支払ったとして確定(還付)申告する場合は、令和7年(2025年)12月31日まで確定申告を行うことができます

そのため、税務署の確定申告会場で手続きをしようと考えられている方は、混雑している確定申告の時期ではなく、確定申告時期以外の閑散期に税務署へ来署されることをお勧めします。

 

ふるさと納税をされた方

ふるさと納税をワンストップ特例で手続きされた方であっても、医療費控除等で確定申告を行う場合は、ふるさと納税についても併せて確定申告をする必要がありますのでご注意ください。

ふるさと納税のワンストップ特例は、あくまでも確定申告をしない場合の特例となっていますので、確定申告をする場合は必ずふるさと納税に係る寄付金控除の申告もしましょう!(誤りが多い項目になっているようです

 

まとめ

 

医療費控除を受けるためには、医療費の総額を計算する必要があるため、1月~12月の医療費の領収証又は健康保険組合から送付される「医療費のお知らせ」が必要になります。

「医療費のお知らせ」は社会保険を使った場合にしか記載されないため、できれば領収証を保管しておくことをおすすめします。

 

今回は所得税の還付金についてお話ししましたが、所得税で医療費控除を行うと翌年の住民税でもその医療費控除の金額が住民税の計算上控除されます

医療費を10万円以上支払った方は医療費控除をご検討してみてはいかがでしょうか。

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