2020.10.03
脱税と節税の違い!!
脱税と節税の違いについて説明します。
脱税は、広辞苑には「納税義務者が義務の履行を怠り、納税額の一部又は全部を逃れる行為。」と記載されています。
一般的には、売上を少なく計算したり、架空の経費を計上したりして、利益(所得)を少なくした上で、納税額も減少させ、確定申告書を提出する行為とされています。
税務調査でこのような不正が把握されると、通常の税金(本税)とは別に、重加算税という非常に重いペナルティを別途支払う必要があります。加えて、延滞税という利息も払わなければなりません。
※開業1ヶ月前。事務所には机とコロナ対策用アクリル板しかありませんでした。
一方、「節税」を広辞苑を調べてみると、「各種の所得控除や非課税制度を活用して税金の権限をはかること」と記載されています。
脱税とは異なり、定められた法令や通達に基づき、その範囲内で対策を行なうもので、結果として、税金を計算する元となる利益を少なくし、納税額を減少させる行為になります。
こちらは法律の範囲内での対策なので、税務調査においても問題とされることはありません。
簡単に言えば、脱税は違法行為、節税は合法的な行為と言えます。
税務調査とは
国税庁の任務は、「適正・公平な課税の実現」であり、これを実現するため、「申告が適正でないと認められる納税者に対しては、的確な調査・指導を実施することにより、誤りを確実に是正する」と国税庁HPに記載されています。
この調査が、いわゆる税務調査になります。
国税局、税務署は過去からたくさんの税務調査を行っており、行われていた不正方法やその不正の発見方法について、多くの事例を蓄積しています。
そのような事例については、税務職員に研修などで還元し、税務職員全体の税務調査スキルの底上げを行っています。
「税務署にはばれないだろう」と思っていても、小さなところから、不正がばれてしまうことは往々にしてあります。
税務調査において、税務署に不正が把握されれば、多額の税金の納付が必要となり、今後の資金繰り対策にも大きく影響してきます。
「いずれ、ばれるかもしれない」、「税務署が来ないでほしい」といったことを願いつつ日々生活するのは心苦しいものです。
税金を脱税するのではなく、法律の範囲内で節税するほうがいいとは思いませんか。
脱税の例
絶対に行ってはいけない脱税の一例を挙げてみます。
・売上を少なく計上し、利益を少なく計算する。
・特定の売上先の売上金を、通常とは別の口座に入金させ、売上に計上しない。
・在庫を少なく計算し、原価を過大に計上することで、利益を少なく計算する。
・従業員への給与を外注費と仮装して計算する。
・実際には払っていないが、領収証を偽造して経費に計上する。
・雑収入を帳簿に記載せず、個人的に費消している。
などの行為になります。脱税と疑われる行為は、絶対にやめましょう。
まとめ
脱税は、税務署にばれてしまうと、非常に大きなペナルティがあります。
少しくらい売上金額を少なくしても大丈夫だろうと軽い気持ちで脱税に手をつけ、気がついた頃には積もり積もって多額の税金を脱税してしまっている納税者を、私は税務署調査官時代にたくさん見てきました。
税務調査で不正を指摘され、多額の納税が発生してから後悔しても税務署は許してくれません。
そうなれば、税務署から文句を言われない「節税」の方法を勉強する方がいいとは思いませんか。
今後のブログでは、節税の一般的方法についても記載していこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。